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 01. November.2017 Falling Leafs in Old Horonai Railway ( Old Temiya Railway)       

 

 十一月、霜月.

 秋の夜長には決まって呑みたくなるものだ。
 もう、若い頃のように飲み続ける気力はなく、もちろん体力もなく、たった一杯でいい。

 器は・・・、蕎麦猪口。
 蛸唐草の柄は定番。子孫繁栄の吉祥文様。
 江戸時代からさまざまに描かれてきたが、描き手によって表情がまったく異なるのがこの文様の面白さ。
 この蕎麦猪口で、新酒のあきしぼりなんぞを呑むと実に・・・あずましい。

 この国に生まれて、ことしもまた大地の恵みを頂ける、・・・ありがたい。
 黄金のパウダーが降りそそぐ西日の中、ちびりちびりと冷やをなめて目を細める。

 朝、起き抜けの顔を鏡で見ると、シワやシミが確実に増え、頬も目袋もたるみ、残った髪がすべて白髪になってしまった。
 「ジジイになったもんだ」とひとりごちる。

 が、誰にとっても「老い」は、初体験。
 

 若さにしがみついてどうするか。
 歳の数だけ秋を過ごして、どの季節よりも秋の西日と夕暮れが好きになっている。

 酒がうまい。
 締めは小樽蕎麦屋籔半の「新蕎麦」。