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1 Feb.2017 Photo by Sobaya Oyaji & Apple iPhone6

 

 二月、如月、絹更月、衣更月、雪あかりの路(2/3-12)

 二月の寒さは格別。
 仕事を終えて冷え切った夜半、布団にいく前にひとり一杯やりたくなる。
 そう沢山はいらないけれど、でもゆったりとひとときを味わいたくなる。

 いつもなら、見た目より軽い酒器を手に取るのに、ずっしりとした酒器が手から離れないときって、決まって寒い夜。
 冷たく重たい酒器と手のひらの体温が、少しずつ、ときを共にし解け合っていく。
 不器用で、まどろっこしい、とてつもなくスローな対話の移ろいが、シバレル夜をやさしくさせる。
 重いごつごつした作りの酒器は、手のひらをマッサージしてくれ、触って揉んで楽しくさせてくれる。
 いつもの冷えた常温の純米酒が、いつの間にか饒舌な相方になっていく。

 

 二月は一年の内でたった二日ばかり短い月なのに、例年あっけなくあっという間に過ぎ去ってしまう。
 そのあっけなさは、例えば、そう遠くで会釈をしてくる人。
 その人の顔ははっきり見えないけれど、とりあえず、会釈をしながら思い出そうとする。
 数歩あるいて、やっぱり、わからない。
 振り返る。
 もう姿はない。
 儚い二月は、重たい酒器を掌に包んで、やっと微かに留まってくれている。

 もうすぐ、目の前には、眩しい爛漫の春。
 それまで、寒さを雪を楽しみ愛でたい。

第19回小樽雪あかりの路02